実質的には、夫婦としているが婚姻届出が出来ていないので、法律上夫婦と認められない関係を言います。

ですから、一概に浮気相手との生活が内縁関係と言うわけではありませんのでご注意ください。

内縁関係は当事者の合意（婚姻意思と言います）があれば、事実上の夫婦としての生活関係が存在すれば成立します。

ただし、以下のように結婚ができない要件（婚姻障害）が存在する当事者間での内縁関係の成立については一部問題があるので注意が必要です。

１・婚姻適齢との関係
　当事者において婚姻適齢（男１８歳、女１６歳で婚姻ができる）の要件を満たさない場合にも内縁関係は成立する、としています。
２・再婚禁止期間との関係
　当事者において再婚禁止期間の要件を満たさない場合にも内縁関係は成立しうるとする、としています。
３・近親者間の婚姻の禁止との関係
　近親者間の内縁関係については成立を否定する場合と成立を肯定する場合が対立しております。厚生労働省年金局は、否定の立場です。
４・重婚の禁止との関係
　 重婚的内縁（配偶者がありながら内縁関係も維持する）での内縁関係の効力については一夫一婦制との関係から特に難しい扱いがあります。

内縁には婚姻に関する規定が婚姻に準じて適応されるケースが多数あります。

１・夫婦は共に生活をするべき、と言う「同居義務」
２・夫婦は相互に協力をすべき、と言う「協力義務」
３・夫婦は相互に面倒を見合うべき、と言う「扶助義務」
４・浮気はいけない、と言う「貞操義務」

５・生活費は分担するべき、「婚姻費用分担」
６・生活に必要な費用で債務がある場合の、「日常家事債務」による連帯責任　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
７・夫婦どちらのものか不明である財産についての、「帰属不明財産の共有推定」

などが婚姻に準じて適応されます。

内縁関係は、当事者の死亡、当事者間の合意、実際に共同生活が終了することにより解消されます。

そして、一番関心が深いところですが、内縁関係での財産分与と相続の問題です。

配偶者の相続権について
内縁関係は法律婚ではありませんので、　配偶者の相続権は認められないのですが、もし内縁の配偶者に相続人がいない場合、「特別縁故者」として一定期間に請求を行うことで、財産分与が認められています。

財産分与の請求について
内縁関係の解消について、夫婦間の財産分与の請求が近い問題として、適用されます。
がしかし、死亡による場合は上記の「特別縁故者」による請求としての財産分与請求の方法で認められます。

内縁関係の破たんについて
内縁関係が当事者一方において、正当な理由もなく破棄され、解消された場合には相手方は損害賠償を請求することができる可能性があります。
そして、内縁関係を不当に破たんさせた、第三者は不法行為責任を負います。

賃貸住宅の賃借権について
内縁関係の一方が死亡の場合に相続人がいる場合ですが、「内縁関係の一方は一方の相続人の賃借権を援用できる」と住み続けることが、できることを認めております。
そして、一方に相続人がいない場合は「借地借家法３６条」の規定により守られておりますので、ご安心ください。

年金、保健共に法律婚と同様に扱われますのでこの点も、ご安心ください。

内縁関係で、お子様を出産された場合、そのお子様は非嫡出子（婚外子）となります。

その子様の相続財産についてついてですが、それまでは、非嫡出子は嫡出子の半分が相続財産とされてきたのですが、現在では同じになっておりますので、お間違えの無いようにお願いします。